珊瑚の指輪。オーダーメイド。
珊瑚の化石のリング。 オーダーメイドでご依頼をいただきました。 海の底で珊瑚が化石となって、カットし磨いた人がいて、それを手にした方がいて、指輪となった。 その時間と1つの石を巡る物語を想像すると、とても不思議な感じがします。 原貝を自分で研磨してジュエリーに仕立てていくのとはまた違った感覚で、見えない大きなチームのようで、とても新鮮。
自分では全くそんな要素は感じないけど、何故か一匹狼風に見られる事が多くて。でも実際は様々な分野の人が集まって一つのものをつくり上げていく、という作業や時間がとても好きだし、ずっと求めている事です。 なのでわくわく。
先ずはルースの形にぴったりになるよう台座を制作し、4本爪を立てる。 指輪の腕部分を削り出してロウ付け。成形。研磨。爪留め。仕上げ。
そうして、指輪となります。
大きめルースを横置きにしてシンプルなデザインにしました。 ルースがシンメトリーでなくて微妙なカーブがあって、それがいいアクセントに。 女性的な柔らかさと強さも秘めた指輪となったと思います。
海の珊瑚が、今までもこれからも護ってくれますように。
ご依頼いただきどうもありがとうございました。
mimako
ヤコウとアコヤのブローチ。帯留め。
昨年お話がスタートしたオーダーメイド。 夜光貝とあこや真珠のブローチとタカセ貝とシルバーのピアス。 ヤコウとアコヤの組み合わせはネックレスで制作していましたが、今回ブローチとの事でパールは少し大きめを選びました。 模様のニュアンスが異なる貝を3点カット研磨して画像でご確認頂きながら進めていきます。 夜光は個体でかなり印象が変わるので、ここでお選びいただく貝で完成イメージも変わってきます。 奇しくも私が気に入った貝と同じものをお選び頂きました。お選びいただいてから「実は私も~」とお伝えしましたが、こういうの何だか嬉しいです。
これは荒削り段階の貝。
選んでいただいた貝と相性のよさそうな真珠の色味を選んでシルバーの加工を進めます。 真珠は芯立てといって金属の線(今回は銀)を芯として立てて、そこに真珠を留める手法が一般的です。その他周囲を爪で留めたりもしますが今回のデザインはシンプルな芯立てで。 爪とブローチの金具をつくりロウ付けして芯を立て、銀を成形・磨いて、夜光を爪で留めて、最後にパールを留めて完成です。
帯留めではどんな装いでお使いいただけるのかな~と、想像するとワクワクとします。 一時期和装に憧れましたが結局踏み込み仕舞い。 祖母の残した着物の色や柄が驚くほどモダンで、「この色の組み合わせ!」と眺めては唸るばかりです。
こちらは重ねてご依頼いただいたタカセのピアス。 いつもどうもありがとうございます。 感謝を込めて。
世界的に普段通りにいかなくなっているこの時期。 2月、3月に入ってご依頼やお問い合わせなどを頂戴し、余計に励まされています。 有り難いことだと感じます。
先日犬を連れて海に行ってきました。気持ちよかった~:-) 週末だったのでお散歩の人々も多くいました。リフレッシュ。
mimako
サンゴ礁
3月に入った。早いです。 この冬、私の地域は雪の気配もなくて、朝起きると室温3度下ってたり窓が凍っていたりするのが通常なのに今年は全然。 以前「Chasing Coral - 消えゆくサンゴ礁」を観て。石垣に住んでいた頃、しかもかなり前からサンゴの白化現象は見聞きしてたけれど、それでもちょっと衝撃でした。 映画の中で、美しかった珊瑚が一斉に白くなった光景を見て泣き出したチームの人がいたけれど、サンゴ礁の美しさや存在価値を知っている分比例する、人としての罪責感。 ものは言わない珊瑚だけれど、その姿で言葉よりももっと強く語ってくる。いい映画でした。
珊瑚。とっても好きなのです。 珊瑚がパキパキと広がっていて、大小の魚たちが枝の中や周りで食事したり、あっち行け~と喧嘩したり。シュノーケル咥えていても笑顔になってくる幸せな光景です。 あんな素晴らしい生き物がいなくなるのは避けたい。 気候危機に対して個人が出来ること。節電やエコバックは日常化してきた。でもまだ電力会社を変えていない。 自由化になった時に「待ってました!」と調べたらどうも分かりづらくて。何由来の電気かの情報開示がされていない所が多くて、少し待てば分かりやすくなっているかなと放置したのでした。 またちょっと調べてみようと思いました。
ウイルスで落ち着かない時期の真っ只中。世間の流れにそぐわない文ですね。 2行目まで書いたらつらつらと温暖化の話になっていました。 でも温暖化と感染症も関係する部分もあるのかな?とも。 暮らし方とか社会的な関心や政治参加とか。海に潜ったら幸せな光景にニヤついていたい為に。
申告の期間が延びたそうですが、もう一踏ん張り。終わらせてしまいます。 皆さま今週末はお家の方が多いのでしょうか。 窓辺で日差しを受けて、本とか音楽とか映画とか。免疫力上げていきたいですね。
猫の目の不思議さが未だ新鮮です。 つい撮影したくなる。
口元も♡
皆さま、どうぞご自愛下さいね。
mimako
あけましておめでとうございます。
新年あけましておめでとうございます。 出会える方々、出会える事を愉しみにしています。 今日は近くの神社へお詣りに行ってきました。勝手に近しく感じている大杉さんにもご挨拶。
皆さまの1年が実り多き穏やかな年でありますように。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
artworks Pez 望月 未麻子
どうもありがとうございました。
工房の掃除を終えて、2019年も終わりです。 天井付近から掃除をしないと結果みんな真っ白い粉にまみれる事に。普段彫金机周りの掃除なので上に溜まっている貝の粉が呆れる位にすごい。もっとマメにやらないと、と思うのは毎年年末だけです:-)
今年はこの仕事を生業とし始めて20周年で。それを強くは意識していなかったけど、何だか不思議に印象深い1年となりました。 長いスパンでのポイントとなる様な。自分の内側で、ですが。 よい1年でした。
すべての出会いに感謝しています。 直接お会いできたお客様、Webの上でのやり取りをさせていただいたお客様、卸先のお店で見て下さったお客様。 再会が嬉しいお顔や、はじめましても。 そして心に残る展示会をして下さった佐倉のWork-Worksさん、貝たちと私の気持ちが里帰りさせて貰える大切な場所、石垣島のKayakさん。素敵なイベントにお誘い下さった恵比寿のEkocaさん。 Pezのジュエリーを見たり手にとって下さった皆様に、心から感謝をお伝えしたいです。
今年もどうもありがとうございました。 どうぞよいお年をお迎え下さい。
artworks Pez 望月 未麻子
輪島。沈金。
漆に関して調べ物をしている時に「沈金」という技法を知りました。と云うか沈金を知らなかった。 漆器の加飾といえば蒔絵や象嵌で、沈金を画像で見た時に少し引いた感じの華やかさに魅力を感じました。 それで調べていったら輪島が有名との事。石川県含め北陸は憧れの地だったこともあって、いつか行けたらなあと思っていました。
11月に訪れる予定を立てたけれど思いがけず仔猫保護があったから見送ろうとしていたら家族が見てくれるとの事で、甘えて輪島へ行ってきました。 沈金体験をできる工房は金沢にもあるけれど、そう度々は来られないしここは一気に輪島へ。 夜に小松に着いてそこからバスで金沢へ、1泊して朝一で輪島行きのバス。
車内から海が見えて、日本海だ!とわくわく。靄がかかって綺麗だった。 輪島に着いたら急いで体験工房へ。
前もって電話で沈金を希望する旨をお伝えしてました。 輪島塗りや技法について説明頂いた後、職人さんに「本当に沈金をするとは思わなかった」と言われました。蒔絵を希望される方が殆どとの事で、この為に輪島に来たと伝えると、工房閉まるまでやってていいですよ~と言って貰いました。
図柄の枠部分だけが彫られたお皿を選びます。 (最初は無謀にも下絵から全部やってみたいとお願いしたら、いいけれど時間的に無理かも、と言われて。実際にやってみたらいかに無謀なお願いだったか分かった。笑) この内側を専用のノミで彫っていきます。 先ずは練習。力が入り過ぎて、先生の彫りで出る音と全然違う。 コツを掴むまでかなり時間が掛かりました。先生、不安になる...。 塗りの職人さんが何度も重ねて仕上げたものを削るという、蒔絵とはまた違う緊張感。
1本のノミで線や点を彫ります。周りに出ているのは削った欠片。 私は点を彫るのが特に難しかった。
沈金ノミ。 職人さんそれぞれご自身で研ぎ直すそう。こういうのが堪らない。
彫りが浅い箇所を直して貰います。先生が掘り出す線を見ていると気持ちがいい。
彫った部分に生漆を入れ金粉や金箔をのせて完成。 結局夕方近くまで作業させて貰いました。もの凄く集中した時間、愉しかった。
工房にあった沈金の箪笥。うつくしいです。
工房を出たら雷が鳴って雨が強く降ってきたので散策は諦めて早々に宿に入りました。
沈金ともうひとつの願い。 どうしても輪島で海が見たいので翌朝歩いて海岸へ。
人々が動き始めるほんの少し前の時間。
沢山の船が並ぶ漁港を足早に通って。
念願の海。 海に会うと「ただいま」な気持ちになる。
そして広いそらも。
20分ほど海を眺めて金沢行きのバス停を目指します。 帰り道は漁港の人々や登校の学生さんでにわかに活気づいていました。 海外の旅もそうだけど、自分の知らない土地で人々が日常を過ごしているのをぼんやりと眺めるのが結構大切な目的。だからその景色も垣間見れて思い残す事なし。
能登への旅は沈金と海と美味しい魚で、かなりの駆け足ながらにも満喫できた2日間でした。 やっぱり旅はいいな。
沈金のお皿、そういえば完成したのを撮ってなかった。機会あったら載せます。
mimako