海を纏う
もう何年か前になるけれど、Pezのイメージの冊子を制作して貰いました。 尊敬する作家さんに撮影、構成、デザイン、全てをお願いして。
黒背景の中の貝やジュエリーの撮影は自分では中々苦戦していて、爽やかな印象になりがちだった。それも好みなのだけれど、トーンを落とした感じのPezの感じも表現したいという願望もあって。そんな漠然と抱いていたイメージが形になった、Pezにとっては初めての本格的な冊子でした。 完成して初めて見せていただいた時、涙が出てしまった。 制作を始めて20年以上、ゆっくりと時間を掛け自分の中に重なっていった制作に対する思いが、テキストと画像でそのまま表現されていたから。
でもあまり外に出る機会がないまま年数が経って。 自分の中では大切な冊子なので、ここで画像としてアップしようと思いました。
「海を纏う」
岩肌のような貝の中に 私は時間と光の物語を探す
割り
研ぎ
磨く
真珠層の産声 無垢な姿
尋ねてみる
冷たかったのか 温かかったのか
その時、海は澄んでいたのか
その時、海は荒れていたのか
そこで何を見たのか
そこで誰と出会ったのか
海の底
時が積もり
その中で育まれたひかりを届ける
温もりを伝えられたらと願う
海を纏う
ご協力いただいた皆々様。 本当にどうもありがとうございました。